03-6709-0888 お問い合わせ

コラム | 池袋の離婚弁護士

池袋駅より徒歩5分の好アクセス

相談票のダウンロード
コラム画像

コラム詳細

住宅ローンがある場合には婚姻費用にご注意を!

例えば、夫名義の住宅を持っていて、夫が住宅ローンとして毎月10万円を支払っているが、夫が離婚したいと思って家を出た場合を考えて下さい。
この場合、夫は住宅ローンの債務者なので、別居した以降も銀行に住宅ローンを支払わなければなりません。
他方、夫は自分の住宅ですが、現在使用していない状況にあり、妻がその家に住んでいます。
妻は、住宅ローンを支払うことなく、家に住み続けています。
そして、婚姻費用の額は、養育費・婚姻費用算定表によると、12万円だったとします。

この場合、婚姻費用を考える上で、どうなるのでしょうか。
「住宅ローンとして毎月10万円支払っているのだから、10万円差し引いて、残り2万円を支払えばいい」ということには、一般的にはなりません。
なぜなら、住宅ローンの支払いは、あくまで夫が銀行に対する債務を返済しているにすぎませんし、別居後の財産変動は財産分与の考慮の対象にはなりませんので、例えば2000万円の価値がある不動産について、別居時500万円あった住宅ローンが離婚時に200万円に減っていても、分与の対象となるのはあくまで別居時に残っていたものを基準にしますので、(2000万円-200万円)×1/2=900万円を妻に渡す必要はなく、(2000万円-500万円)×1/2=750万円を妻に渡せばすむからです。その意味で、別居後の返済はまるまる夫の利益になります。

では、どのように考えるのでしょうか。
この場合、様々な考えがありうるのですが、現在、実務上で多く取られている手法は、「妻が本来支払わなければならなかった住居費相当額を婚姻費用から差し引く」というものです。
こう聞くと、近隣の家賃相場分を差し引くのかと思われる方もおられるかもしれませんが、そうではありません。
家計調査年報による「一定の収入世帯が通常住居関係費にかけている金額(平均額)」を差し引くことになります。
例えば、妻が年収約270万円の場合、家計調査年報によると、その収入世帯が住居関係費に費やしている金額は約3万円強ですので、婚姻費用12万円から3万円ほど差し引いて、残り9万円ほどを支払うことになります。

特に都心部だと、「3万円の家賃で住めるところがどこにあるのか」と思われるかもしれません。
上記家計調査年報は、実家暮らしなども含めた平均額ですので、一般的な家賃に比べてかなり低額になっている印象は否めません。
しかし、現在の実務上は、そのような計算方法を行うことが多いのです。

ですから、住宅ローンを負担している方が家を出て別居する場合は、その点も考慮して慎重に検討する必要があります。
一度弊所にご相談下さい。

その他のコラム

夫名義の契約のものを妻名義のもので支払っていたら?

離婚の前に別居する方が多くいらっしゃいます。 その際に以外と面倒なのが、「相手名義の契約だけど、支払いは自分名義のもので行っている」場合です。 例えば、自宅のインターネットを夫名義で契約していたが、支払いは妻の名義の預貯金口座から引き落とされているなどの場合です。 妻が家を出て別居したとしたら、もう自宅でインターネットは使用していないので、夫に支払って欲しい、と考えるのが通常でしょう。 ...

詳しく見る

有責配偶者からの離婚請求

不倫や暴力などを行って、婚姻関係破綻の責任がある方の当事者を「有責配偶者」といいます。 例えば、自分が不倫をしてしまったなど有責配偶者にあたるけど、離婚したいと考えた場合、どうなるでしょうか。 有責配偶者からの離婚請求については、最高裁判例があります(最判昭和62年9月2日)。 それによると、有責配偶者からの離婚が認められるためには、以下の要件をみたす必要があります。 ①夫婦の別居...

詳しく見る

意外と複雑な財産分与

財産分与は、基本的に「婚姻期間中に夫婦で築いた財産を2分の1ずつ分ける」ということになります。 こう聞くと、「離婚のときの財産を2分の1にすればいいのね。」と単純に思われるかもしれません。 しかし、これが結構複雑な問題を起こすことが多々あります。 以下、どのような問題が起こるか、いくつか例示をしたいと思います。 ①基準時は別居時 財産分与を行う際の「夫婦で有していた財産」の基準時...

詳しく見る

婚約を破棄された場合

恋人同士が結婚する前には、婚約をするのが一般的かと思います。 一度婚約したものの、最終的に結婚に至らなかった場合にはどのような責任が発生するのでしょうか。 まず、そもそも、婚約とは何でしょうか。 婚約とは、簡単にいえば、結婚の約束です。 単に恋人関係にあるとか、性的関係があるというだけでは、婚約は成立しません。 婚約したときには、結納や婚約指輪を贈るなどが一般的に行われていますが、婚...

詳しく見る

まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

03-6709-0888 24時間受付中、メールで相談予約をする