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養育費・婚姻費用新算定表

2019年12月23日に、養育費・婚姻費用の新算定表が公表されました。

概ね、従来の考え方を踏襲していますが、近年の情勢を踏まえて、若干変わったところがあります。
以下、簡単にまとめます。

1 全ての場合において、従前に比べて増額された
今回の改定により、減額となった場合はなく、増額幅の差はあっても、全ての場合において増額とされています。
これは、収入から必要経費などを除いた「基礎収入」の割合が、従来より増えたことによります。

2 14歳以下の子どもを養育している場合の増額幅が大きい
養育費の算定には、14歳以下と15歳以上で分かれていますが、14歳以下の子どもがいる場合の方が、15歳以上の子どもがいる場合に比べて、増額幅が大きくなっています。
これは、子の生活費指数が従来より上がったためです。
子の生活費指数とは、簡単に申し上げれば、大人1人の生活費を100とした場合に、子どもの生活費がどれくらいになるか、ということです。
14歳以下は、以前は子の生活費指数が55だったのですが、これが62に引き上げられました。
これは、従来に比べて、学校教育費以外の生活費が上昇したことが原因です。
逆に、15歳以上は、以前は子の生活費指数が90だったのですが、これが85に引き下げられました。
これは、学校教育費以外の生活費が従来と変わらなかった上、国公立高校の学費が下がったことによります。

3 新算定表の公表は事情の変化にはあたらない
新算定表が公表される前に、養育費又は婚姻費用を定めたとしても、事情の変更があれば変更を求めることができます。
しかし、新算定表の公表自体は、事情の変更にはあたらないとされたため、これを理由に変更を求めるのは難しいと思われます。
ただし、請求する方又は支払っている方の収入に変化があった、子どもの1人が15歳以上となったなどの事情があれば、変更を求めることはできます。
その際は、新算定表を元に計算されることになりますので、従来より大幅に上がると思われます。

4 養育費の支払は20歳まで
民法の成年年齢の改正により、2022年4月1日から18歳が成人となります。
そして、今まで養育費の支払義務があるのは、成人までとされていたので、法律上支払義務があるのは20歳まででした(もっとも、大學卒業までと定めるケースもよくあります。)。
民法改正により、18歳で成人となるため、養育費の支払義務があるのは18歳までとなるのではないか、ということが議論されていましたが、今回の裁判所の見解としては、18歳ではまだ経済的に独立していない人が多いという理由で、基本的には20歳までが妥当だという見解が述べられています。
したがって、18歳で成人となる場合でも、基本的には養育費は20歳までとなります。

新算定表のおおまかな内容は以上のとおりです。
今後、新算定表に従って様々な事例が出てくると思われますので、新たな情報があれば発信していきたいと思います。

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