03-6709-0888 お問い合わせ

コラム | 池袋の離婚弁護士

池袋駅より徒歩5分の好アクセス

相談票のダウンロード
コラム画像

コラム詳細

有責配偶者からの離婚請求

不倫や暴力などを行って、婚姻関係破綻の責任がある方の当事者を「有責配偶者」といいます。
例えば、自分が不倫をしてしまったなど有責配偶者にあたるけど、離婚したいと考えた場合、どうなるでしょうか。

有責配偶者からの離婚請求については、最高裁判例があります(最判昭和62年9月2日)。
それによると、有責配偶者からの離婚が認められるためには、以下の要件をみたす必要があります。

①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること
②夫婦の間に未成熟の子(註:必ずしも「未成年」と同じではありません。)がいないこと
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれるなど離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められないこと

したがって、特に小さい子がいる場合、有責配偶者からの離婚請求は、判決で認められる可能性は低いと言わざるを得ません。

では、自分が有責配偶者にあたる場合、離婚は諦めるしかないのでしょうか。
そんなことはありません。
現に、有責配偶者の方で、離婚を希望されているご依頼も受けておりますが、無事離婚が成立した案件も複数あります。
なぜでしょうか。

その理由は、大きく分けて2つあります。

ひとつめの理由は、上記判例は、あくまでも「有責配偶者ではない方が、離婚を希望していないときに、判決で強制的に離婚を認めることはできない」というだけにすぎず、相手の同意が得られれば離婚することは可能だからです。
通常、不倫をされた相手とは、もう一緒にはいたくないと考えるのが通常でしょう。
仮に、「離婚しない」と言っていても、それは少しでも有利な条件を獲得したいための交渉材料とされていることが多いです。
例えば、財産分与や慰謝料で多くの金銭を獲得したい、養育費や婚姻費用を少しでも多く獲得したいなどです。
そのため、その条件面で多少譲歩すれば、離婚が折り合う可能性も十分にあるのです。

ふたつめの理由は、仮に離婚請求が認められなかったとしても、現状は何も変わらないからです。
一般的に、離婚請求する前には、別居することをお勧めしています。そして、仮に離婚請求において、相手が勝ったとしても、強制的に同居させることはできません。
せいぜい、婚姻費用を請求することができる可能性があるだけです。相手の方が収入が高ければ、婚姻費用も請求できないこともあります。
そうすると、仮に離婚訴訟で相手が勝ったとしても、結局何も得ることはできず、激しく争ったところで無意味なものになる可能性も高いのです。
その観点から、最終的に離婚に応じるということがあります。

もちろん、それでも相手が離婚を希望しない(特に、まだ愛情があるなどの場合)こともあるので、必ず認められる、ということは申し上げられませんが、諦める必要もないのです。
一度、ご相談下さい。

その他のコラム

面会交流を拒否されたら

新型コロナウイルス感染症の広がりに伴い、子どもと同居している親(これを監護親といいます。)が、別居している親(これを非監護親といいます。)に対し、子どもとの面会交流が拒否する事由が出始めているようです。 面会交流が不当に拒否された場合、どのようになるのでしょうか。 1 まずは面会交流の定め方による! まず、そもそも、どのように面会交流を定めているかによります。 単なる口約束や、裁判...

詳しく見る

住宅ローンがある場合には婚姻費用にご注意を!

例えば、夫名義の住宅を持っていて、夫が住宅ローンとして毎月10万円を支払っているが、夫が離婚したいと思って家を出た場合を考えて下さい。 この場合、夫は住宅ローンの債務者なので、別居した以降も銀行に住宅ローンを支払わなければなりません。 他方、夫は自分の住宅ですが、現在使用していない状況にあり、妻がその家に住んでいます。 妻は、住宅ローンを支払うことなく、家に住み続けています。 そして、婚姻...

詳しく見る

夫名義の契約のものを妻名義のもので支払っていたら?

離婚の前に別居する方が多くいらっしゃいます。 その際に以外と面倒なのが、「相手名義の契約だけど、支払いは自分名義のもので行っている」場合です。 例えば、自宅のインターネットを夫名義で契約していたが、支払いは妻の名義の預貯金口座から引き落とされているなどの場合です。 妻が家を出て別居したとしたら、もう自宅でインターネットは使用していないので、夫に支払って欲しい、と考えるのが通常でしょう。 ...

詳しく見る

養育費・婚姻費用算定表の改定

先日、最高裁より、養育費・婚姻費用算定表の改定が発表されました。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111201054&g=soc 12月23日に発表される予定です。 現在、実務上、養育費及び婚姻費用を算定する上で、この算定表は非常に重要な指針となっていますので、 この改定が実務に与える影響はかなり大きいと思われます。 現時点で、改定され...

詳しく見る

まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

03-6709-0888 24時間受付中、メールで相談予約をする