03-6709-0888 お問い合わせ

コラム | 池袋の離婚弁護士

池袋駅より徒歩5分の好アクセス

相談票のダウンロード
コラム画像

コラム詳細

不貞をした相手から婚姻費用を請求されたら?

離婚の前段階として、別居がなされた場合、通常、収入が多い方が少ない方に対して、「婚姻費用」を支払わなければなりません。
婚姻費用とは、簡単にいえば、相手方の生活費(+子どもがいる場合は養育費)です。

では、婚姻関係の破綻の原因を作った相手(これを「有責配偶者」といいます。)から婚姻費用を請求されたら、支払わなければならないのでしょうか。

こんな事例を考えて下さい。
妻が別の男と不倫した。妻は夫と離婚して相手の男と一緒になるといって別居した。
妻は、収入がないか、あっても夫よりも相当少ない。
そして、別居した後、夫に婚姻費用として月10万円の請求してきた。
(話を単純化するため、子はいないものとします。)

この場合、夫から妻に対して慰謝料請求が認められることはいいとして、妻から夫に対して婚姻費用の請求は認められるのでしょうか。
例えば、慰謝料として150万円が認められたとしても、離婚するまでの間、毎月婚姻費用として月10万円支払わなければならないとしたら、
15ヶ月で結局慰謝料と同額になってしまい、夫はまさに「ふんだりけったり」の状態です。

これに対しては、婚姻費用の請求が認められないか、減額されるのが一般的です。
東京家裁平成20年7月31日審判は、妻が不貞行為を行い、相手の男性と同居していた事案で、婚姻費用の請求が権利の濫用として許されませんでした。
大阪高裁平成20年9月18日決定なども、妻が男性とラブホテルから出てくるところを夫が目撃し、妻はラブホテルに宿泊しただけで不貞行為はしていないと主張していましたが、妻からの婚姻費用の請求は認められませんでした。

このように、不貞行為を行った方が相手に婚姻費用を請求するのが、有責配偶者からの婚姻費用請求として典型例ですが、どこまでいったら「有責配偶者」として認められるのでしょうか。

相手が無断で家を出て別居した、という場合は、夫婦の同居義務違反があるものの、一般的にこれだけで有責配偶者とされることは少ないでしょう。
夫婦間で、婚姻関係が破綻する原因は、様々な要因が複雑に絡み合っていることが多いので、不貞行為や暴力など、明白な場合を除けば、一方だけに責任があるとされるケースは多くないように思われます。

もっとも、相手が有責配偶者であっても、子どもも相手と一緒に同居している場合は、子どもの養育費に相当する婚姻費用分の請求は認められます。
これは、子どもには何の責任もないことから、当然の結論かと思われます。

その他のコラム

有責配偶者からの離婚請求

不倫や暴力などを行って、婚姻関係破綻の責任がある方の当事者を「有責配偶者」といいます。 例えば、自分が不倫をしてしまったなど有責配偶者にあたるけど、離婚したいと考えた場合、どうなるでしょうか。 有責配偶者からの離婚請求については、最高裁判例があります(最判昭和62年9月2日)。 それによると、有責配偶者からの離婚が認められるためには、以下の要件をみたす必要があります。 ①夫婦の別居...

詳しく見る

夫名義の契約のものを妻名義のもので支払っていたら?

離婚の前に別居する方が多くいらっしゃいます。 その際に以外と面倒なのが、「相手名義の契約だけど、支払いは自分名義のもので行っている」場合です。 例えば、自宅のインターネットを夫名義で契約していたが、支払いは妻の名義の預貯金口座から引き落とされているなどの場合です。 妻が家を出て別居したとしたら、もう自宅でインターネットは使用していないので、夫に支払って欲しい、と考えるのが通常でしょう。 ...

詳しく見る

子どもの私立学校や塾の費用は請求できる?

1 子どもが私立学校に通っている場合はどうする? 離婚または別居した場合に、養育費(子どもがいる場合)または婚姻費用を決める必要があります。 子どもと同居して実際に監護している親は、子どもと同居していない親に対して、 養育費ないし婚姻費用を請求することになりますが、子どもが私立学校に通っている場合、その金額は請求できるのでしょうか。 2 養育費・婚姻費用の決め方 養育費または...

詳しく見る

週刊誌報道にみる不倫事件の流れ

現在、週刊誌上で、俳優の不倫が発覚したということで、大きな話題となっています。 不倫報道がされた夫側は今後修復を希望されているとのことですが、法律上、不倫が発覚した後でどのような流れになるかについて、 今回の件を題材に簡単にご説明したいと思います。 1 別居後に発生する婚姻費用 不倫行為が発覚した場合、そのまま同居を続けるケースもありますが、今回のように、別居に至るケースも多々あります...

詳しく見る

まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。

03-6709-0888 24時間受付中、メールで相談予約をする